2006年8月13日

この記事を書いている約18時間後に、イスラエルとヒズボラの間でようやく国連の停戦決議が発効します。イスラエル軍は3万人もの兵力を動員して、明日の朝の停戦までに、一人でも多くのヒズボラ民兵を殺害し、1台でも多くのカチューシャロケットを破壊するために、最後の大攻勢をしかけています。とりあえず、武力行使がやむことは、孤立している住民たちに食料や医薬品を届ける上ではよいことです。だが停戦発効後も、根本的に平和が訪れたことにはなりません。イスラエルは国連の平和維持部隊1万5000人が到着するまでは、レバノン南部に居残ることを明らかにしています。イスラエルとヒズボラの戦闘に巻き込まれる危険もあるこの地域に、平和維持軍を送るまでにはまだかなりの時間がかかるでしょう。その間に、再びイスラエルとヒズボラが戦闘を始めないという保証はありません。ヒズボラは、この停戦を利用して武器や弾薬を調達し、体制を整えようとするでしょう。イスラエルが1ヶ月もかけた軍事作戦で、拉致された戦友を奪還できず、ヒズボラの武装解除もできず、ヒズボラによる自国へのロケット攻撃を防ぐことすらできなかったことは、イスラエルにとって大きな誤算でした。逆にレバノン市民の間では、頑強に抵抗したヒズボラに対する支持が強まっています。今回の紛争の勝者は、ヒズボラだったと言うべきかもしれません。